2017年05月06日の記事 (1/1)

自転車月間

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中日春秋 5/6

夏目漱石は自転車が苦手だった。一九〇二年、ロンドン留学中に勧められ、稽古したものの<大落五度小落はその数を知らず、或(ある)時は石垣にぶつかって向脛(むこうずね)を擦りむき(中略)その苦戦云(い)うばかりなし…>と「自転車日記」に書いている。

ジョン・レノンは子どものとき、自転車を手に入れるのが夢だったそうだ。夢がかなったその夜、自転車を裏庭に置いたままにできず、家の中に入れた。それでも心配でついには自転車をベッドの中に入れ、一緒に眠った。

どなたにも自転車の思い出があるだろう。初めて乗ることができた日。暑い日の自転車通学を振り返る人もいるか。昨日五日のこどもの日は「自転車の日」。五月は「自転車月間」である。

自転車交通の拡大や安全確保などを目的とした自転車活用推進法が一日に施行された。これを機に専用道路の整備や自転車を借りるシェアサイクルが先行する欧州レベルまで進むことを期待する。

排ガスも出さず、騒音もない、自転車は環境にやさしく、災害にも強い。適度な運動は心身にプラス効果を与える。それを生かすためにも、まずは運転ルールの厳守とマナー向上を図りたい。

残念ながら、まだまだ車道の右側を堂々と走る人や、歩行者そこのけで歩道を突っ走る人を時折見かける。漱石ではないが、危険な思いをさせ自転車嫌いを増やせば、その試みの車輪はパンクする。

…………………………

自転車活用推進法
(平成二十八年十二月十六日法律第百十三号)


 第一章 総則(第一条―第七条)
 第二章 自転車の活用の推進に関する基本方針(第八条)
 第三章 自転車活用推進計画等(第九条―第十一条)
 第四章 自転車活用推進本部(第十二条・第十三条)
 第五章 雑則(第十四条・第十五条)
 附則
   第一章 総則

(目的)
第一条  この法律は、極めて身近な交通手段である自転車の活用による環境への負荷の低減、災害時における交通の機能の維持、国民の健康の増進等を図ることが重要な課題であることに鑑み、自転車の活用の推進に関し、基本理念を定め、国の責務等を明らかにし、及び自転車の活用の推進に関する施策の基本となる事項を定めるとともに、自転車活用推進本部を設置することにより、自転車の活用を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。
(基本理念)
第二条  自転車の活用の推進は、自転車による交通が、二酸化炭素、粒子状物質等の環境に深刻な影響を及ぼすおそれのある物質を排出しないものであること、騒音及び振動を発生しないものであること、災害時において機動的であること等の特性を有し、公共の利益の増進に資するものであるという基本的認識の下に行われなければならない。
2  自転車の活用の推進は、自転車の利用を増進し、交通における自動車への依存の程度を低減することが、国民の健康の増進及び交通の混雑の緩和による経済的社会的効果を及ぼす等公共の利益の増進に資するものであるという基本的認識の下に行われなければならない。
3  自転車の活用の推進は、交通体系における自転車による交通の役割を拡大することを旨として、行われなければならない。
4  自転車の活用の推進は、交通の安全の確保を図りつつ、行われなければならない。
(国の責務)
第三条  国は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、自転車の活用の推進に関する施策を総合的かつ計画的に策定し、及び実施する責務を有する。
2  国は、情報の提供その他の活動を通じて、基本理念に関する国民の理解を深め、かつ、その協力を得るよう努めなければならない。
(地方公共団体の責務)
第四条  地方公共団体は、基本理念にのっとり、自転車の活用の推進に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の区域の実情に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。
2  地方公共団体は、情報の提供その他の活動を通じて、基本理念に関する住民の理解を深め、かつ、その協力を得るよう努めなければならない。
(事業者の責務)
第五条  公共交通に関する事業その他の事業を行う者は、自転車と公共交通機関との連携の促進等に努めるとともに、国又は地方公共団体が実施する自転車の活用の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。
(国民の責務)
第六条  国民は、基本理念についての理解を深め、国又は地方公共団体が実施する自転車の活用の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。
(関係者の連携及び協力)
第七条  国、地方公共団体、公共交通に関する事業その他の事業を行う者、住民その他の関係者は、基本理念の実現に向けて、相互に連携を図りながら協力するよう努めるものとする。
   第二章 自転車の活用の推進に関する基本方針

第八条  自転車の活用の推進に関して、重点的に検討され、及び実施されるべき施策は、次に掲げるとおりとする。
一  良好な自転車交通網を形成するため必要な自転車専用道路(道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第四十八条の十四第二項に規定する自転車専用道路をいう。)、自転車専用車両通行帯等の整備
二  路外駐車場(駐車場法(昭和三十二年法律第百六号)第二条第二号に規定する路外駐車場をいう。)の整備及び時間制限駐車区間(道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第四十九条第一項に規定する時間制限駐車区間をいう。)の指定の見直し
三  自転車を賃貸する事業の利用者の利便の増進に資する施設の整備
四  自転車競技のための施設の整備
五  高い安全性を備えた良質な自転車の供給体制の整備
六  自転車の安全な利用に寄与する人材の育成及び資質の向上
七  情報通信技術等の活用による自転車の管理の適正化
八  自転車の利用者に対する交通安全に係る教育及び啓発
九  自転車の活用による国民の健康の保持増進
十  学校教育等における自転車の活用による青少年の体力の向上
十一  自転車と公共交通機関との連携の促進
十二  災害時における自転車の有効活用に資する体制の整備
十三  自転車を活用した国際交流の促進
十四  自転車を活用した取組であって、国内外からの観光旅客の来訪の促進、観光地の魅力の増進その他の地域の活性化に資するものに対する支援
十五  前各号に掲げるもののほか、自転車の活用の推進に関し特に必要と認められる施策
   第三章 自転車活用推進計画等

(自転車活用推進計画)
第九条  政府は、自転車の活用の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、前条に定める自転車の活用の推進に関する基本方針に即し、自転車の活用の推進に関する目標及び自転車の活用の推進に関し講ずべき必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を定めた計画(以下「自転車活用推進計画」という。)を定めなければならない。
2  国土交通大臣は、自転車活用推進計画の案につき閣議の決定を求めなければならない。
3  政府は、自転車活用推進計画を定めたときは、遅滞なく、これを国会に報告するとともに、公表しなければならない。
4  前二項の規定は、自転車活用推進計画の変更について準用する。
(都道府県自転車活用推進計画)
第十条  都道府県は、自転車活用推進計画を勘案して、当該都道府県の区域の実情に応じた自転車の活用の推進に関する施策を定めた計画(次項及び次条第一項において「都道府県自転車活用推進計画」という。)を定めるよう努めなければならない。
2  都道府県は、都道府県自転車活用推進計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表するよう努めるものとする。
(市町村自転車活用推進計画)
第十一条  市町村(特別区を含む。次項において同じ。)は、自転車活用推進計画(都道府県自転車活用推進計画が定められているときは、自転車活用推進計画及び都道府県自転車活用推進計画)を勘案して、当該市町村の区域の実情に応じた自転車の活用の推進に関する施策を定めた計画(次項において「市町村自転車活用推進計画」という。)を定めるよう努めなければならない。
2  市町村は、市町村自転車活用推進計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表するよう努めるものとする。
   第四章 自転車活用推進本部

(設置及び所掌事務)
第十二条  国土交通省に、特別の機関として、自転車活用推進本部(次項及び次条において「本部」という。)を置く。
2  本部は、次に掲げる事務をつかさどる。
一  自転車活用推進計画の案の作成及び実施の推進に関すること。
二  自転車の活用の推進について必要な関係行政機関相互の調整に関すること。
三  前二号に掲げるもののほか、自転車の活用の推進に関する重要事項に関する審議及び自転車の活用の推進に関する施策の実施の推進に関すること。
(組織等)
第十三条  本部は、自転車活用推進本部長及び自転車活用推進本部員をもって組織する。
2  本部の長は、自転車活用推進本部長とし、国土交通大臣をもって充てる。
3  自転車活用推進本部員は、次に掲げる者をもって充てる。
一  総務大臣
二  文部科学大臣
三  厚生労働大臣
四  経済産業大臣
五  環境大臣
六  内閣官房長官
七  国家公安委員会委員長
八  前各号に掲げる者のほか、国土交通大臣以外の国務大臣のうちから、国土交通大臣の申出により、内閣総理大臣が指定する者
4  前三項に定めるもののほか、本部の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。
   第五章 雑則

(自転車の日及び自転車月間)
第十四条  国民の間に広く自転車の活用の推進についての関心と理解を深めるため、自転車の日及び自転車月間を設ける。
2  自転車の日は五月五日とし、自転車月間は同月一日から同月三十一日までとする。
3  国は、自転車の日においてその趣旨にふさわしい事業を実施するよう努めるものとし、国及び地方公共団体は、自転車月間においてその趣旨にふさわしい行事が実施されるよう奨励しなければならない。
(表彰)
第十五条  国土交通大臣は、自転車の活用の推進に関し特に顕著な功績があると認められる者に対し、表彰を行うことができる。

   附 則 抄
(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(法制上の措置)
第二条  政府は、自転車の活用の推進を担う行政組織の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な法制上の措置を講ずるものとする。
(検討)
第三条  政府は、自転車の運転に関し道路交通法に違反する行為への対応の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
2  政府は、自転車の運行によって人の生命又は身体が害された場合における損害賠償を保障する制度について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

午前中5時間

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 午前中の授業を4時限から5時限に増やす小学校が増えている。福岡市では2016年度までに約2割が実施しており、新学期から少なくとも4校が導入。福岡県うきは市でも取り入れる学校がある。各時限の合間の休み時間を一部ゼロにし、登校時刻も前倒しして児童と教員に放課後のゆとりを生み出す。2020年度の新学習指導要領に伴う授業時間増にも備える。

 「先生たちの働き方改革なんです」。本年度から午前中5時限にする愛宕浜小(福岡市西区)。森宏介校長(59)は打ち明ける。

 小学校は1時限(1こま)が45分間。毎朝午前8時半から読書などに充てていた「朝タイム」を「朝の会」に改め、10分前倒し。合間の休み時間(昼休みなどを除く)も0~5分にする。「実際はトイレ休憩や体育の着替えの時間を随時取ることになる」(森校長)見通しだが、6時限まである日の下校時刻は25分早まる計算だ。

 授業自体は勤務時間内に終えても、その準備や保護者対応で残業が常態化している教員たち。森校長は「わずかでも勤務時間内に教材に目を通す時間を増やしたかった」と狙いを語る。

 家庭訪問などで昼までに授業を終える日もあり、5時限にすれば消化授業数を増やすことが可能。教員が午後から出張する場合、これまで自習に充てていた時間も減らせる。

 文部科学省によると、現行の学習指導要領は授業時間数を規定している一方、休み時間を含めた時間割は学校側の「弾力的な編成」を認める。

 近年の学力低下傾向を受け、各校が土曜授業や夏休みの短縮に踏み切っているのに加え、新学習指導要領では小3以上に週1こま、英語(外国語活動)が上積みされる。年間授業時間数は週5日制の完全導入(02年度)前の水準に戻る。道徳の教科化やプログラミング教育の必須化も始まり、教員の多忙に拍車が掛かるのは間違いない。

 福岡市教育委員会によると16年度、午前中を5時限にした小学校は全143校のうち32校。福岡市西区に本年度開校し、午前中を5時限とする西都小は「子どもの集中力は午前中が高い。放課後の時間の余裕は学習に充てたい」、うきは市の千年小は「授業時間の確保につなげたい」としている。

   ◇    ◇

 各学校の工夫増える

 文部科学省教育課程課の石田有記専門官の話 新学習指導要領を見据え授業時間を確保するための工夫の一つといえる。今後、各校でさまざまな工夫が増えるとみられる。東京では1こま40分授業を午前中に5時限やるような小学校もある。ただし、トイレ休憩などで授業時間にロスが生じた場合、その分を別の時間に振り替えるなど、年間を通して必要な時間数を確保するよう努めてほしい。

教員 争奪戦

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 大量定年時代を迎え、教員採用試験の対象年齢を引き上げる自治体が相次いでいる。九州でも福岡、佐賀、熊本3県や北九州市の教育委員会などがこれまで39、40歳以下だった新卒・既卒の上限を49~59歳以下に緩和。若手の指導役でもあるベテラン勢がごっそり抜ければ学校運営にも支障が出かねず、他県で採用された現役教員や育児による離職者の呼び戻しにも期待を寄せる。

 「これからは全国で、人材の奪い合いが始まる」。福岡県教委の担当者は危機感を隠さない。福岡は2月中旬、受験の準備を早く整えてもらおうと、2017年度に実施する試験の採用条件を例年より3カ月も早く発表。対象年齢を40歳以下から59歳以下とした。

 福岡、北九州両政令市を除く県教委の小中高の正規教職員は約1万6千人(16年度)。うち50代以上が48・6%に上り、中学は50・9%を占める。団塊ジュニア世代のために大量に雇用された教員たちが定年を迎え、小中高それぞれの定年退職者のピークは20~24年度の見込みだ。

 授業のノウハウなど経験のあるベテランも確保してバランスの取れた教員配置を実現するため、ほかの教委で採用された現職教員枠の対象年齢も50歳から59歳に引き上げ。「他県などに流れた人材を呼び戻す」(教職員課)のが狙いだ。

 受験者自体が減っていることも背景にある。

 大分県も本年度に行う採用試験から、対象を10歳引き上げて50歳以下に見直す。16年度の受験倍率は4・2倍で、1989年度以降、最高だった18・5倍(00年度)と比べて4分の1以下となり、受験者も約4割減った。当時より採用枠が増えたため何度も挑戦する既卒者の合格が増え、相対的に受験者数が少なくなったという。「育児による離職者や、かつて合格を諦めた人の再チャレンジ」(教育人事課)を願う。

 16年度から39歳以下の年齢制限を49歳以下に改めた熊本県は、志願者が前年度比112人増の1931人となり「一定の効果があった」(学校人事課)としている。