2017年04月15日の記事 (1/1)

いかのおすし

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北斗星 4/15

県央の小学校を訪ねたところ、校庭で遊んでいた低学年の女児が「こんにちは」と駆け寄ってきてくれたのでホッとした。怪しい男が来たと先生に言い付けられないかひやひやしていたからだ。

開放的でいい学校ですね、と先生に伝えると、「校庭に大人がいたでしょ。不審者が入り込まないか教員や生活支援員がそれとなく見回っているのです」と教えてくれた。こちらの動静を注視していたのかもしれない。

これが学校の敷地外となれば監視するにも限界がある。集団下校させたり、地元住民によるスクールガード(見守り隊)の力を借りたりと対策を取っていても万全ではない。子供たちに自分を守るすべを身に付けさせる必要がある。

知らない人について『いか』ない、知らない人の車に『の』らない、あぶないと思ったら『お』おきな声をだす、その場から『す』ぐにげる、おとなに『し』らせる―の危機回避5原則をつなげた「いかのおすし」は基本の『き』だ。

関西では住民同士であっても「あいさつ禁止」としたマンションがあるという。知らない人からあいさつされたら逃げるように、と子供に教えた手前、いっそのこと大人もあいさつをやめてしまおうと発想したようだ。

千葉の小学3年女児の殺人死体遺棄事件で、女児が通う小学校の保護者会長で見守り活動もしていた男が逮捕された。あいさつ禁止どころではない。誰も信用してはいけない、という行き過ぎた教えを広げることになりかねない。

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住んでるマンションの管理組合理事をやってるんですが、先日の住民総会で、小学生の親御さんから提案がありました。
「知らない人にあいさつされたら逃げるように教えているので、マンション内ではあいさつをしないように決めてください」。
子どもにはどの人がマンションの人かどうかは判断できない。教育上困ります、とも。すると年配の人から、
「あいさつをしてもあいさつが返ってこないので気分が悪かった。お互いにやめましょう」
と、意見が一致してしまいました。その告知を出すのですが、世の中変わったな、と理解に苦しんでいます。

引用元:神戸新聞11/4夕刊

しっかり向き合う

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水や空 4/15

トリプルアクセルに言葉を掛けるとしたら、と奇妙な問いが飛んだ時の困った顔もよかったし、やり切った、と言い切るすがすがしさもよかった。だが浅田真央さんの引退会見で何より素晴らしいと感じたのは、しっかりと質問者の方を向いて答えるために彼女が何度も座り直していたこと。

真っすぐ向き合う、相手の目を見て話す・聞く。幼い頃に真っ先に教わったマナーは教室でも職場でもコミュニケーションの最初の一歩だが、面倒だったり照れくさかったりで、現実にはなかなか。

きょう開幕する「ジブリの大博覧会」に、プロとプロが真正面から向き合った真剣勝負の全容が展示されている。一足お先に昨日の内覧会で。

〈再考を! 宮崎も「ちがう」というし、小生もちがうと思いました〉〈もう1回! お願いします〉〈できれば、もうひとひねり〉...ある映画のキャッチフレーズがたった3文字に凝縮されるまでのプロセス。

ダメ出し役はスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー、出されているのはコピーライターの糸井重里さん。豪華で軽やかな正面衝突が、モノゴトはぶつかった分だけ磨かれていく-と教える。

いろいろと考えるうち「ネコバス」の乗り心地は次のお楽しみ、で会場を後にした。面倒な感想は後回しにすればよかった。残念。

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キャッチコピー一覧

作品名 (公開年) キャッチコピー (コピー作者)

風の谷のナウシカ(1984)
「少女の愛が奇跡を呼んだ」(徳山雅也)

天空の城ラピュタ
(1986) 「ある日、少女が空から降ってきた…」(徳山雅也)

となりのトトロ
(1988) 「このへんないきものは まだ日本にいるのです。たぶん。」(糸井重里)

火垂るの墓
(1988) 「4歳と14歳で、生きようと思った」(糸井重里)

魔女の宅急便
(1989) 「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。」(糸井重里)

おもひでぽろぽろ
(1991) 「私はワタシと旅にでる。」(糸井重里)

紅の豚
(1992) 「カッコイイとは、こういうことさ。」(糸井重里)

平成狸合戦ぽんぽこ
(1994) 「タヌキだってがんばってるんだよォ」(糸井重里)

耳をすませば
(1995) 「好きなひとが、できました。」(糸井重里)

もののけ姫
(1997) 「生きろ。」(糸井重里)

ホーホケキョ となりの山田くん
(1999) 「家内安全は、世界の願い。」(糸井重里)

千と千尋の神隠し
(2001) 「トンネルのむこうは、不思議の町でした。」(糸井重里)

猫の恩返し
(2002) 「猫になっても、いいんじゃないッ?」(糸井重里)

ハウルの動く城
(2004) 「ふたりが暮らした。」(糸井重里)

ゲド戦記
(2006) 「見えぬものこそ。」(糸井重里)

崖の上のポニョ
(2008) 「生まれてきてよかった。」(鈴木敏夫)
「子どもの頃の約束は、永遠に忘れない。」
「半径3m以内に 大切なものは ぜんぶある。」
(宮崎駿:アサヒ飲料 三ツ矢サイダーのCMコピー)

借りぐらしのアリエッティ
(2010) 「人間に見られてはいけない。」
「それが床下の小人たちの掟だった。」

コクリコ坂から
(2011) 「上を向いて歩こう。」(鈴木敏夫)

風立ちぬ
(2013) 「生きねば。」(鈴木敏夫)

かぐや姫の物語
(2013) 「姫の犯した罪と罰。」(鈴木敏夫)

思い出のマーニー
(2014) 「あなたのことが大すき。」
「この世には目に見えない魔法の輪がある。」(鈴木敏夫)
「あの入江で、 わたしはあなたを待っている。永久に──。」(三浦しをん)

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私と小鳥と鈴と

教育出版 5年

私と小鳥と鈴と  金子みすゞ


私が両手をひろげても、
お空はちっとも飛べないが、
飛べる小鳥は私のやうに、
地面(じべた)を速くは走れない。

私がからだをゆすっても、
きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のやうに、
たくさんな唄は知らないよ。

鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。

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大漁

教育出版 5年

大漁  金子みすゞ


    朝焼小焼だ
    大漁だ
    大羽鰮(いわし)の
    大漁だ。

    浜は祭りの
    ようだけど
    海のなかでは
    何萬(まん)の
    鰮のとむらい
    するだろう。
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教育出版 5年


     雪
           三好達治


     太郎をねむらせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。

     二郎をねむらせ、二郎の屋根に雪ふりつむ。
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はたはたのうた

教育出版 5年

はたはたのうた  室生犀星

はたはたといふさかな、
うすべにいろのはたはた、
はたはたがとれる日は
はたはた雲といふ雲があらはれる。
はたはたやいてたべるのは
北国のこどものごちそうなり。
はたはたみれば
母をおもふも
冬のならひなり。

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鳴く虫

教育出版 5年


鳴く虫  ―高橋元吉―

草かげの
鳴く虫たちの宝石工場

どの虫もみんなあんなに冴えてゐるから
虫たちはきつといつしんになつて
それぞれちがつたいろの宝石を
磨いてゐるのだらう

宝石のひかりがうつり
いひやうもない色まであつて
方々の草かげがほんのりあかるい

素朴な琴

教育出版 5年

素朴な琴  
    八木重吉
 
このあかるさのなかへ
ひとつの素朴な琴をおけば
秋の美しさに耐えかねて
琴はしづかに鳴りいだすだらう
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水平線

教育出版 5年

水平線  小泉周二


水平線がある
一直線にある
ゆれているはずなのに
一直線にある

水平線がある
はっきりとある
空とはちがうぞと
はっきりある

水平線がある
どこまでもある
ほんとうの強さみたいに
どこまでもある

みんなの目

中日春秋 4/15

<父の目をかりたら/どんなけしきに見えるだろう/母の目をかりてドラマを見たら/すぐになみだをだすだろう…>

これは、先月出版された詩集『ことばのしっぽ』(中央公論新社)に収められた小学校五年生の女の子の作品「みんなの目」だ。詩は、こう続く。<…兄の目をかりて/野球のしあいを見たら/とてもたのしくなるだろう/妹の目をかりたら/どこでもすぐにねられるだろう>

今、この人の目をかりてみたら、どんなけしきが見えるだろうか。千葉県松戸市の小学校に通っていた九つの娘を殺されたレェ・アイン・ハオさんだ。

仕事でベトナムから日本に来ていたハオさんは、まな娘をニャット・リンと名付けた。ベトナム語でニャットは日本、リンは輝きという意味だという。

しかし、「日本で輝かしい生活を」というハオさんの思いは突然、断ち切られた。きのう死体遺棄の疑いで逮捕されたのは、子どもたちの安全を見守る目を持つはずの保護者会長だというから、あまりにもやりきれぬ事件の展開だ。

父母の目、きょうだいの目、友だちの目、あるいは、ほかの国の人々の目…。人が成長するということは、「自分の目」だけでなく、「みんなの目」で世界を見ようとすることを、覚えていくことかもしれぬ。リンさんの命を奪ったのは、そういう大切な「みんなの目」をなくしてしまった人間だろう。

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 読売新聞くらし面「こどもの詩」コーナーが今年50年を迎えたのを機に、作品集「ことばのしっぽ 『こどもの詩』50周年精選集」(中央公論新社、読売新聞生活部監修、1400円税抜き)=写真=が出版された。


 「こどもの詩」は1967年5月にスタート。子どもならではの視点や大人の意表をつく描写が、読者の心を捉えてきた。精選集では約200編を収録。「あたしのくみにね/おとうさんから/うまれたこが/いるんだよ!」(「おとうさん似」1989年)、「お気に入りの/ふくがあります/大人になっても/きられるように/のばしておきました」(「お気に入り」2015年)など、はじけるような感性に満ちている。

 歴代選者は日本を代表する詩人が務めてきた。初代は山本和夫さん。次の川崎洋さん以降、短評がつくようになった。子どもと一緒に楽しんでいるような川崎さん、哲学的な雰囲気の長田弘さん、優しさとユーモアあふれる現在の平田俊子さんと、選者の個性も味わえる。

 平田さんは「50年という長期の子どもたちの詩を見渡せる貴重なアンソロジー。命の輝きのような言葉に触れていただければ」と話している。

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北斗星 4/7

 全国紙の家庭面で半世紀にわたって続く「こどもの詩」コーナーから200編余りをえりすぐった本「ことばのしっぽ」(読売新聞生活部監修、中央公論新社)に、「四という字」と題した1編がある。

「四はみんなきらう/四は死につながるからと/でもぼくはちがう/しんぼう、しれん、幸せと/思っている/ぼくは四年四組四番です」。秋田の小学4年男子が書いた詩だ。1996年5月10日付の紙面に載った。

クラス分けで4年4組になったんだね。おまけに出席番号が4番とは。なんか嫌だなあと思ってしまいそうだが、この子は「し」で始まる言葉を三つ見つけて気を取り直している。前向きの姿勢がいいなあ。

先生たちは年度末になると児童一人一人の名前を書いたカードを持ち寄り、翌年度の学級編成を決める。勉強や運動能力、住んでいる地区、友だち関係までを考え、学級ごとに大きな差が出ないように割り振っていく。とても気を使うという

ところが「この学級はちょっとバランスが悪いかな、と思っても新学期が始まってみると意外に不足部分を補い合うようになるものです」とOB教諭が教えてくれた。例えば、足の速い子がいなかったとしても、それを発奮材料にしてリレーで頑張るのだ。

1学年1学級という学校もあるけれど、新しいクラスメートは先生たちが考え抜いて選んでくれた仲間です。仲間がいれば辛抱できるし、試練にも耐えられます。幸せな学校生活となるよう祈ります。

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透視図 4/5

 日本の霊長類研究の第一人者で京大総長も務める山極寿一氏は少年時代、児童文学『ドリトル先生』(ヒュー・ロフティング)シリーズが大好きだったそうだ。『僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう』(文春新書)に教えられた。

 動物語を自在に操って世界を旅するドリトル先生に憧れていたらしい。いつの日か自分も「アフリカに行って動物たちと話をしたい」と考え、探検家になることを夢見ていたという。山極氏のように、子どものころの夢をそのまま実現させられる幸運な人はあまりいない。ただ振り返ってみて、夢が人生を航海していく上で羅針盤の役目を果たしてくれた、と感じている人もまた少なくないのでないか。

 さてことしの新1年生はどんな夢を持っているだろう。あす、本道の多くの公立小学校で入学式が行われる。第一生命が1月に発表した児童の「なりたいもの」調査では1位が男子でサッカー選手、女子で食べ物屋さんだったとのこと。とはいえ、職業だけが夢の全てではない。そもそもまだ夢などなくても一向に困らない。読売新聞家庭面の「こどもの詩」精選集『ことばのしっぽ』(中央公論新社)にこんな詩があった。吉田駿君(小1)作「はっけん!」である。「おひめさま めをぬいたら おひさま/ありんこ りをぬいたら あんこ/にんじん んをぬいたら にじ!/わぉ!」。

 「にんじん」が「にじ」に変わるのを発見し、おまけに心でその虹を見て歓声を上げるなんて畏れ入った。子どもは夢を考える天才である。大人が余計な邪魔をしない限り。

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