2017年04月08日の記事 (1/1)

敬遠

春秋 4/8

「ミスタープロ野球」と呼ばれた元巨人の長嶋茂雄さんは、バットを持たずに打席に立ったことがある。1968年5月11日の中日戦。バットを忘れたのではなく、敬遠四球に抗議するため。3球目から素手だけで構えた。

「お客さんは、敬遠ではなくバットを振るのを見に来ているんだ」。後にそう話したそうだ。敬遠は強打者の宿命だが、長嶋さんは敬遠気味のボール球を強引に打って本塁打やヒットにしたことも。ファンを大切にしたミスターらしい逸話だ。

92年の夏の甲子園大会。星稜の4番松井秀喜選手は5打席連続で敬遠された。松井選手は一度もバットを振らないまま星稜は敗れた。必勝の作戦か卑怯(ひきょう)な振る舞いか。賛否両論が巻き起こった。

とかく物議を醸す敬遠である。米大リーグは今季、守備側の監督が審判に敬遠を告げれば、打者は投球なしに一塁に進める制度を導入した。目的は長い試合時間の短縮。米国らしいドライな考え方だ。

「敬遠も野球の一部。変える必要はない」と反対していたのはイチロー選手。勝負を避けた投手や次の打者の心理、騒然とするスタンド…。野球は一球ごとの駆け引きを楽しむスポーツであると思えば、敬遠宣告制は味気ない。

バットを持たず打席に立った長嶋さんに、相手投手は2球ボールを続けて四球に。まさか素手でも打ちそうと思われたのではなかろうが、さすがミスター。敬遠にも伝説を残した。


ぼくが ここに

学校図書 4年

            ぼくが ここに
                   まど・みちお

         ぼくが ここに いるとき
         ほかの どんなものも
         ぼくに かさなって
         ここに いることは できない

         もしも ゾウが ここに いるならば
         そのゾウだけ

         マメが いるならば
         その一つぶの マメだけ
         しか ここに いることは できない

         ああ このちきゅうの うえでは
         こんなに だいじに
         まもられているのだ
         どんなものが どんなところに
         いるときにも

         その「いること」こそが
         なににも まして
         すばらしいこと として


        
       
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ふしぎ

学校図書 4年

ふしぎ  金子みすゞ

          わたしはふしぎでたまらない、
          黒い雲からふる雨が、
          銀にひかっていることが。

          わたしはふしぎでたまらない、
          青いくわの葉たべている、
          かいこが白くなることが。

          わたしはふしぎでたまらない、
          たれもいじらぬ夕顔が、
          ひとりでぱらりと開くのが。
 
          わたしはふしぎでたまらない、
          たれにきいてもわらってて、
          あたりまえだ、ということが。

はじめて小鳥が飛んだとき

学校図書 4年


     はじめて小鳥がとんだとき   原田直友


   はじめて小鳥がとんだとき

   森は,しいんとしずまった。

   木々の小えだが,手をさしのべた。

  

   うれしさとふあんで,小鳥の小さなむねは,

   どきんどきん,大きく鳴っていた。

   「心配しないで。」と,かあさん鳥が,

   やさしくかたをだいてやった。

   「さあ,おとび。」と,とうさん鳥が,

   ぽんと一つかたをたたいた。



   はじめて小鳥がじょうずにとんだとき、

   森は,はく手かっさいした。

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春のうた

学校図書 4年

春のうた
草野 心平

  かえるは冬にあいだは土の中にいて春になると地上に出てきます。
  そのはじめての日のうた。

 ほっ まぶしいな。
 ほっ うれしいな。

 みずは つるつる。
 かぜは そよそよ。
 ケルルン クック。
 ああいいにおいだ。
 ケルルン クック。

 ほっ いぬのふぐりがさいている。
 ほっ おおきなくもがうごいてくる。

 ケルルン クック。
ケルルン クック。
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願いごとの持ち腐れ



『願いごとの持ち腐れ』

歌:AKB48 作詞:秋元 康 作曲:内山 栞 

もしも 魔法が使えて
夢がひとつ叶うならば
きっと 世界の誰もが
しあわせになる

涙(ひと粒も)なんか(そうきっと)
流す者はいない(希望)
悲しみの(悲しみの)種は
すべて(すべて)消えるだろう

願い事の持ち腐れ
一度きりの魔法なんて
あれもこれも欲が出て
今すぐに決められないよ

迷ってるうちに
黄昏(たそがれ)

ある日 些細なことから
争ってる二人がいた
僕は思わず願った
仲良くしてと…

僕に(探してた)とって(生きる道)
たった一度きりの(チャンス)
大切な(大切な)魔法
ここで(ここで)使ったんだ

願いごとの持ち腐れ
魔法なんか 欲しくはない
叶えたい夢は多いけど
本当の願いは何か
見つけられたなら
しあわせ

『お弁当ばこのうた~あなたへのお手紙~』

『お弁当ばこのうた~あなたへのお手紙~


『お弁当ばこのうた~あなたへのお手紙~』

歌・作詞・作曲:半﨑美子 

おかえり
今日もからっぱのお弁当ばこをありがとう
毎日残さずきれいだね お弁当ばこのうた

あなたの好きなものばかり入れられないのよ 許してね
体のことも考えて作っているのよ
赤・緑(あお)・黄色の彩りと
栄養たっぷりのバランスと
にんじん ピーマン セロリ
あの手 この手で入れてます
毎朝渡すお弁当は あなたへのお手紙

おかえり
今日はどうしたの? 残しているのねお弁当
心や体が弱いとき シグナルはお弁当

冷蔵庫が寂しいときは
たまにシンプルになるけれど
愛情にしっかりフタをして
もれないように包みました
毎朝渡すお弁当は 私からのお手紙

いつかあなたが大人になって
恋をしてダイエットなんて言うまでは
何があっても届けます あなたへのお便り

食べているところは 一度も見られないけれど
想像しながら作っています
卒業したら 少し寂しくなるけど
たまにはこうしてお便りします

いよいよ今日が最後の日
からっぱのお弁当ばこの中から
「毎日どうもありがとう」
あなたからの手紙

『太陽と月のこどもたち』



『太陽と月のこどもたち』

歌:V6 作詞・作曲:岩崎 愛

嗚呼 美しいこの場所で 君は生まれた
太陽のように笑い
月のように綺麗な人よ
そう 進めばいい
君は守られているよ
きっと迷いはもうないはずだよ

風の唄が聞こえた気がした
無垢な目が世界の輝きを 映しだしている
星がひとつ流れていった
きっと生まれ変わるんだよ
空から迷わずママを選び
宿った命みたいに

嗚呼 美しいこの場所で 君は生まれた
太陽のように笑い
月のように綺麗な人よ
何も怖くない
君は抱かれているよ
いつも誰かがそばにいるから

つらい時は思い出して
いつでも君の味方だよ
宇宙の果てでもどこにいても
いつも見守っているから

嗚呼 美しいこの場所で 僕も生まれた
温かな手をつないで
いつも叱ってくれた人よ
きっと美しい この場所で命は廻(めぐ)る
ずっと愛が 途絶えることはないから

きっと迷いはもうないはずだよ

看板

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中日春秋 4/8

こういう笑い話がある。地主が自分の土地にある池で釣りをしている男を見つけて大声を出した。「そこの看板が見えないのか。<魚釣りを禁ず>と書いてあるだろ。罰金を払えっ」。すると男が逆に怒鳴り返した。「この嘘(うそ)つきめ! 何時間たっても一匹も釣れないぞ。」

魚などいないのに「釣り厳禁」とは罪つくりな看板だが、国会で審議が本格化した「共謀罪」も、かなりうさんくさい看板だろう。

魚釣りが法で禁じられた池で、腕試ししようと仲間と話し合う。釣り具を持って池まで足を運んだが、気がとがめてやめた。それでも、違法な釣りを仲間と計画したのだからと、罪に問うのが「共謀罪」だ。

こんな乱暴な話はないと反発されて、過去に三たび廃案になった。そこで政府が考えた策が、看板の付け替えだ。「共謀罪」を「テロ等準備罪」と変えたのだが、政府の当初案では条文に肝心の「テロ」の文言が一つもなかったのだから、ひどい看板もあったものだ。

東京五輪招致の際、安倍首相は「(東京は)世界有数の安全な都市」と大きな看板を掲げてみせたのに、今は「(共謀罪など)法整備をできなければ東京五輪を開けないと言っても過言ではない。」

「テロ」の看板を掲げれば、皆ただ恐れをなし、「五輪」の看板を掲げれば、皆、賛成するだろう-とは、ずいぶん国民を見下した「看板政治」ではないか。