2017年04月03日の記事 (1/1)

ごっこ

中日春秋 4/3

お金もないが、花見の気分を味わいたい。お酒の代わりに番茶の煮出したやつを水で薄め、カマボコは大根、玉子焼きはタクアン…。おなじみの落語「長屋の花見」である。

花見をやろうと言い出すのは長屋の大家さん。「花見ごっこだ。粋に振る舞おう」。この人はまだ優しい方で、落語の世界にはなかなか厳しい大家、家主が登場する。

いつもは温和なのに、自分の趣味である義太夫を聞きたがらぬ長屋の衆に腹を立て、店立(たなだ)てを迫る「寝床」の大家。「大工調べ」の大家はもっと血も涙もない。手のかかる与太郎に「てめえみたいなやつは本当は追い出してやりたいが、それじゃあ長屋の連中がぐずぐず言うから、置いといてやるんだ」。与太郎の世話を焼く長屋の住民に手を合わせたくなる。

そんな大家さんばかりではないことはよく知っているが、気になる法務省の調査結果である。日本にいる外国人を対象にした差別や偏見調査によると、過去五年間に日本で住居を探した約二千人のうち外国人であることを理由に入居を断られた経験がある人が約四割いたという。

外国人お断りの張り紙を見てあきらめたという人も約二割。門前払いの悲しさを思う。

長屋の花見ごっこではないが、こんなごっこを空想する。外国に移住すると決めた。良い物件を見つけた。でも、日本人を理由に入居を拒否されたらのごっこである。


〈長屋の花見〉


〈寝床〉


〈大工調べ〉
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効率的な国語の教材研究

効率的な国語の教材研究

 国語の教科書には、詩があり、物語があり、説明文があり、漢字や言葉の使い方、作文など、さまざまな教材が載っています。
 どちらかというと、それぞれのジャンルの教材が交代で出てくる感じで構成されていて、詩なら詩だけがずっと続くわけではありません。
 それゆえ、目の前の教材だけにこだわっていると、1つのジャンルの教材同士の関連性を忘れてしまうことがあるのです。
 そこで、例えば、最初に詩が出てきたら、その次に出てくる詩も一緒に教材研究しておきます。当然、最初に詩で学んだことが、次の詩を学習するときに活かせるようにするわけです。
 光村の五年国語教科書であれば、最初に、「銀河」(P.1)という詩が登場し、すぐに室生犀星の「ふるさと」(P.13)が出てきて、その次は北原白秋の「からたちの花」(P.94)が9月に出てくるのです。
「ふるさと」と「からたちの花」は、対比すると面白そうです。
 どちらの詩も季節感がありながら、「ふるさと」は春を、「からたちの花」は春夏秋冬を表しています。どちらも七・五音のリズムで構成され、破調があるところも共通しています。ただ、主題は大きく違います。
 だからこそ、面白く扱えそうです。