5年 国語の記事 (1/2)

雲の上の青い空

学校図書 5年

雲の上の青い空  新井 満

苦しいとき悲しいとき  
あまりのつらさに
くじけそうになったとき
ぼくは、ふと立ち止まり 
空を見上げる
そうして 
灰色の雲の上に広がる
まっ青な空を
想う
ゆうゆうと吹きわたる
風を想う 


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紙風船

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学校図書 5年

「紙風船」 黒田三郎

落ちてきたら

今度は

もっと高く

もっともっと高く


何度でも

打ち上げよう

美しい

願いごとのように

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手紙

学校図書 5年

       手紙
          鈴木敏史

   ゆうびんやさんが  こない日でも
   あなたに  とどけられる
   手紙はあるのです


   ゆっくり  過ぎる
   雲のかげ
   庭にまいおりる
   たんぽぽの  わた毛
   おなかをすかした
   のらねこの声も
   ごみ集めをしている人の
   ひたいの汗も…


   みんな  手紙なのです
   読もうとさえすれば

…………………………

鈴木敏史は昭和7年(1932年)長野県の生まれです。

彼は成人してから ずうっと 病いとの闘いを余儀なくされていますが、
でも彼は不満や不平を口にすることはありません。
彼の詩はそうした日々のなかでつくられました。

この<手紙>の詩は 彼の先輩や友人によってつくられた「敏史を囲む会」の支援により 昭和49年に自費出版された詩集「星の美しい村」に収録された作品です。自費出版してすぐに大きな反響をよんで翌年には教育出版センターより再版されています。

<手紙>の詩には 美しい自然の織りなす風景のなかに おなかをすかした  のらねこや ひたいに汗をかいてゴミを集めてくださっている人の姿が登場
 してみんな彼のやさしい世界のなかでは とても大切に写っているのです。

彼の作品には かけがえのない自然にたいする畏敬と まわりの人々にたいするかぎりない優しさや温かさがこめられていています。

彼の作品をゆっくりと読んでいると 彼ならではの 研ぎ澄まされた豊かな
感受性とやさしさと思いやりが ジーンとあたたかく伝わってきます。・・・・・
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今日はきのうの続きだけれど 

学校図書 5年

「今日はきのうの続きだけれど」  みつし ちかこ


今日はきのうの続きだけれど
朝ごとに目覚めるように
いちにちは 日々に新しい

きのうのぬくもりを肌に
今日のつめたい服を着よう

ちょっとひざまづいて
祈りにも似た気持ちで
手早く服を着よう
窓をあけて
きのうとは違う
新しい季節の顔に
あいさつを送ろう

雨でもよし 風でもよし
曇りでも 嵐でもよし

わたしの今日は
これからはじまる

世界中の海が

三省堂 5年

世界じゅうの海が  まざあ・ぐうす

世界じゅうの海が 一つの海なら どんなに大きな海だろな。
世界じゅうの木という木が 一つの木ならば どんなに大きな木であろな。
世界じゅうの斧が 一つの斧なら どんなに大きな斧だろな。
世界じゅうの人たちが ひとりの人なら どんなに大きな人だろな。
大きなその人が おおきな斧をとって 大きな木をきり
大きなその海に どしんとたおしたら それこそ、どんなにどんなに大きい音だろな。

{北原白秋 訳}

シャボン玉

三省堂 5年

シャボン玉  ジャン=コクトー

シャボン玉の中へは
庭は入れません
まわりをくるくる廻っています




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三省堂 5年

『耳』

ジャン・コクトー

堀口大学 訳


私の耳は貝のから

海の響をなつかしむ





ジャン・コクトーは二十世紀の初頭から半世紀以上にわたって、
芸術のあらゆる分野で前衛的な活動をした人である。
その活動の根底には、いつも詩があった。

この作品は
『Poesies 1917-1920』
“Cannes”と題して収められた六つの短章の五番目のもの。
富豪の子であったコクトーは、少年時代に南仏のリゾート地で家族とともに毎冬を過ごしていた。その思い出が作品のもとにある。
(『耳』という題は堀口大学がつけたもの。)




原文



Mon oreille est un coquillage
Qui aime le bruit de la mer.


直訳

「私の耳は貝殻で、海の騒がしい音を愛する」




堀口大学は「騒がしい音」を「響」と訳し、さらに「愛する」を「なつかしむ」と訳した。
これにより、堀口大学の訳詩は一挙に(原詩以上に)時間と空間をひろげた。
しかも訳詩は、完全な口語体でありながら、日本の伝統的な七五調になっていて心地よい。


たった二行の詩。
心に響く秘密は比喩にある。
ひとつは形の上から耳を貝殻に譬える。
もうひとつは…。
空洞のなかにある、昔懐かしい海の響き、すなわち故郷の記憶…。

山のあなた

三省堂 5年

  山のあなた

               カール・ブッセ
               上田 敏 訳

        山のあなたの空遠く、
        「幸」住むと人のいふ。
        ああ、われひとと尋めゆきて、
        涙さしぐみ、かへりきぬ。
        山のあなたになほ遠く、
        「幸」住むと人のいふ。
  



三省堂 5年

土  三好達治

蟻が
蝶の羽をひいて行く
ああ
ヨットのやうだ

三省堂 5年

雪  三好達治

     太郎をねむらせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。

     二郎をねむらせ、二郎の屋根に雪ふりつむ。

 

はしる電車の中で

三省堂 5年

はしる電車の中で   まど・みちお

知ってるとか
知らないとかって
あほらしことのような気がした

はしる電車の中で
いきなり笑いかけられた時のことだ
お母さんに負んぶされた
知らない よその赤ちゃんから‥‥

いっしょに生きてるんだよね!
と いうような
嬉しくてたまらない笑い顔だった

もしも クマにであったら クマに
ライオンにであったら ライオンに
あの赤ちゃんなら笑いかけただろう
いっしょに生きてるんだよね!
と 嬉しくてたまらないように

そして 笑い返しただろう
たぶん クマもライオンも
嬉しくてたまらないように
私が赤ちゃんに そうしたように

私と小鳥と鈴と

教育出版 5年

私と小鳥と鈴と  金子みすゞ


私が両手をひろげても、
お空はちっとも飛べないが、
飛べる小鳥は私のやうに、
地面(じべた)を速くは走れない。

私がからだをゆすっても、
きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のやうに、
たくさんな唄は知らないよ。

鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。

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大漁

教育出版 5年

大漁  金子みすゞ


    朝焼小焼だ
    大漁だ
    大羽鰮(いわし)の
    大漁だ。

    浜は祭りの
    ようだけど
    海のなかでは
    何萬(まん)の
    鰮のとむらい
    するだろう。
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教育出版 5年


     雪
           三好達治


     太郎をねむらせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。

     二郎をねむらせ、二郎の屋根に雪ふりつむ。
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はたはたのうた

教育出版 5年

はたはたのうた  室生犀星

はたはたといふさかな、
うすべにいろのはたはた、
はたはたがとれる日は
はたはた雲といふ雲があらはれる。
はたはたやいてたべるのは
北国のこどものごちそうなり。
はたはたみれば
母をおもふも
冬のならひなり。

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鳴く虫

教育出版 5年


鳴く虫  ―高橋元吉―

草かげの
鳴く虫たちの宝石工場

どの虫もみんなあんなに冴えてゐるから
虫たちはきつといつしんになつて
それぞれちがつたいろの宝石を
磨いてゐるのだらう

宝石のひかりがうつり
いひやうもない色まであつて
方々の草かげがほんのりあかるい

素朴な琴

教育出版 5年

素朴な琴  
    八木重吉
 
このあかるさのなかへ
ひとつの素朴な琴をおけば
秋の美しさに耐えかねて
琴はしづかに鳴りいだすだらう
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水平線

教育出版 5年

水平線  小泉周二


水平線がある
一直線にある
ゆれているはずなのに
一直線にある

水平線がある
はっきりとある
空とはちがうぞと
はっきりある

水平線がある
どこまでもある
ほんとうの強さみたいに
どこまでもある

北風の中

東京書籍 5年


北風の中  木村信子

北風の中ぼくは駆けていく
北風の中ぼくはまたころぶ

北風ごうごう吼えている
北風もやっぱりさがしている

北風の中ぼくは夢を割る
北風の中ぼくの少年期

北風北風もっと吹け
ぼくももっと高く跳ぶ

風のあと

東京書籍 5年


風のあと  北原白秋


 ゆうひはなやかに、
 こほろぎなく。
 あはれ ひとひ、
 このはちらしふきすさみたる
 かぜもおちて。
 ゆうひはなやかに、
 こほろぎなく